師匠と可能性

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「うむ。 『魔力臓器』があるおかげで皆、魔法を使うことができるのじゃ!! しかし、『マナ』は違う……。 マナを使う為には『魔力臓器』と同じような臓器が必要なのじゃ!!」 「へーそれはみんな持ってないの?」 「持っておらぬ。 だから、持ってない者は幻術を使うことができぬのじゃ!!」 「じゃぁ、俺はその臓器を持ってるってこと?」 「そうじゃ!! 幻術を使える者は皆持っておるぞ!! ちなみにその臓器の名前は『ライフ』じゃ」 「へぇ……」 マナを使う為にはある臓器が必要で、みんなその臓器を持ってないけど俺は持ってるのか。 知らなかったなぁ。 「では、説明に戻るのじゃ。 マナを使う為には『ライフ』という臓器を持っていないといけない。 その臓器がないと『マナ』を取り扱うことはできないし、ただの毒になってしまうのじゃ」 「え、マナってそんなに危険なものなの?」 「うむ。 『ライフ』を持っておらぬ者にとってはただの毒じゃ。 でも、『ライフ』を持っていたとしても過剰に摂りすぎると毒になってしまうのじゃ」 「結局毒じゃないか」 「うーむ……例えば、水は生き物にとって必要じゃろう?」 「ないと生きていけないしね」 「でも、腹一杯に水を飲むと水腹になって気分が悪くなるじゃろう?」 「なるなる。 凄く気分が悪くなる」 「で、極端な話身体中にたくさんの水を入れるとどうなる?」 「……太る?」 「それも正解じゃが、ちょっと違う。 答えは身体が破裂してしまうじゃ。 水風船に水を入れすぎると割れてしまうじゃろう? それと同じじゃ」 「じゃぁ、『ライフ』を持っていたとしても、過剰に摂りすぎると身体に悪いってことか」 「そうじゃ。 ちなみに『ライフ』を持ってない者が使おうとすると取り扱うことはできないし、もし、取り扱うことができても、身体の中に毒物を大量に流し込んでいることと変わらぬ」 「なんで『ライフ』を持ってない者が取り扱うことができないのに、身体の中に毒物を流し込んでいることと変わらないって分かるの?」 「幻術を使おうとした者が実際に死んだことが過去に例としてあるからじゃ」 「……」 ……怖いよ!!
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