師匠と可能性

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「へぇーその四角い大きなキューブ指輪から出したけど、それはなんなの?」 「これか?これは『迷宮アイテム』じゃ!! 主も名前ぐらいは知っておるじゃろう??」 「名前ぐらいは知ってるけど俺、初めて見るよ!!」 「お、おぉ……なんか主が興奮しておる……」 「当たり前だよ!! 『迷宮アイテム』なんて高価で貴重な物は貴族ぐらいしか買えないよ!! 平民は見ることすらあまりないからね」 『迷宮アイテム』、そのままの意味で迷宮にあるアイテムのことだ。 この魔法世界アルファナには何十箇所か『迷宮』が存在する。 どの『迷宮』も難易度がとても高くて、中に入る魔物も強くて見たことない奴が多いらしい。 何人もの冒険者が挑み、命を落としてきた。 今では冒険者でもあまり近付かないらしい。 まぁ、勿論例外はあるけれど。 あ、でも、比較的に一番最初の階は安心であまり魔物も強くない。 なので、腕が立つ商人や鍛冶屋はそこのステージで取れる素材や食材を取るために、『最初の階、もしくは浅い階』に訪れるらしい。 逆に、冒険者は危険とお宝が好きな人が多いから、ドンドン危険になり、貴重なお宝が多い『深い階』を目指す人が多いらしい。 まぁ、そんな感じでとりあえず『迷宮』は危ない場所である。 そんな危ない場所で手に入れたお宝などは当然だけど、とても高い。 平民なんてなかなか手が出なくて、本当に高いやつは見る事すら叶わないのだ。 だから、基本的には貴族やギルドの偉い人、腕が立つ冒険者ぐらいしか持っていない。 「ヒマワリがそれを持ってるってことは、『迷宮』に行ったことがあるってこと?」 「そうじゃ!! なかなか手強かったのじゃ……何度か妾でも死を覚悟したからのぅ」 ヒマワリの強さで死を覚悟するとか。 ……俺には縁が無い場所だな、うん。
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