師匠と可能性

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「話を続けさせてもらうのぅ。 この指輪の名前は『ナツ』じゃ。 能力は『マナ』を貯めることができる」 「マナを貯めることができる?」 「このようなアイテムはあるじゃろう? 魔力を予めなにかに貯めることによって、魔力が足りない時に補充することができるアイテム」 「あぁ、あるね。 じゃぁ、ナツは魔力の代わりにマナを補充できるってことか」 「そういうことじゃ」 「どのくらいナツにマナを貯めることができるの?」 「うーむ……持ち主の『ライフ』限界値までじゃな。 『ライフ』を鍛えると勿論限界値も上がるのじゃ」 「へー……俺も欲しいなぁ」 「欲しがるのはいいがまずは自分を鍛えてからじゃのぅ」 「りょうかーい」 「まぁ、話はこの辺にして練習に戻るのじゃ。 では主よ、このキューブを身体に馴染ませることから始めるのじゃ!!」 「どうやって馴染ませるの?」 「とりあえずこのキューブに触るのじゃ」 そう言われたから、俺はキューブに近づいて恐る恐る触ってみる。 すると、触った瞬間に温かいなにかが身体中に少しずつ巡っていくのが感じられた。 「主よ、どんな感じじゃ?」 「うん……なんか温かいなにかが巡ってる感じがする」 「よし、ちゃんと馴染んでいるようじゃのぅ。 今日はとりあえず身体にマナを馴染ませるのが目標じゃ。 少しずつマナを馴染ませて、このキューブがなくなったところで今日の修行は終わりじゃ」 「それだけでいいの?」 「おいおい主よ。 このキューブは主のライフ限界値を超えているのじゃぞ? すなわち、これがなくなるまでということは、主は限界を超えないといけないってことじゃぞ?」 「……で、でも流しすぎると毒になるって言ったじゃん!!」 「なるのぅ。 でも、妾が管理するしここは精神世界じゃ、まだまだ時間もあるし、痛みや疲れは感覚としてないから大丈夫じゃ。 あ、ちなみに、座学が終わったから幻術の修行は次から森でするからのぅ」 「……なんてこった」 俺は肩を落としながら、これからするであろう修行の辛さを考えた。 あぁ……俺、これからの修行に耐えれるのかなぁ。
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