師匠と可能性

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「おはよーフラン。 今日もギリギリだな」 「おはようトウマ」 俺が教室に着いて自分の席に座った瞬間、トウマが挨拶してきた。 後ろにいるアリス達も挨拶をしてくれる。 うん。 朝の挨拶とっても大事。 「フランってさー」 「ん? なにニーナ?」 そう思っていると、ニーナが不思議そうな顔をしながら俺に聞いてくる。 なんだなんだ。 「授業中は真面目に聞いていて途中で寝ることはなし、分からない問題があったら先生に聞く、見事な優等生ぶりなのにいつも学校にくるのは遅刻ギリギリだよねー」 「あ、確かにそうですね!! いつもフランは朝になにしてるんですか?」 リンゼよ、朝はヒマワリによる修行をしてるんだよ。 なんて、言うのもあれだなぁ。 努力してますよアピールになるのも嫌だし、一緒に修行するとなると、ヒマワリの正体がバレるかもしれない、教えてもあまりメリットはないなぁ。 悪いけど嘘をつかせてもらおう。 「いやー俺、朝に弱くてさ参っちゃうよー!!」 俺がアハハと笑いながら頭を掻くと、トウマとニーナ、リンゼは納得してくれた。 ニーナに至っては「毛布の魔力は最上級魔法並」とまで言っている。 しかし、アリスはどことなく胡散臭そうな感じで俺を見ている。 あれ? 疑われるような発言したっけ? そう思っていると、アリスが話しかけてきた。 「フランそれ本当なの? 私には嘘のような気がするんだけど」 さて、どう答えようか……。 「私にはね、分かってるのよ。 フランが朝ギリギリな理由」 そう言って、アリスは腰に手をやりながらドヤ顔をする。 朝に走ってるとことか見られたのか!? 俺が驚いていると、さっきまで納得していたトウマ達がアリスにどういうことか聞いてくる。 ちょ、ちょっと待って!! 心の準備とかできてないんですけど!? 俺がそう思って慌てていても、アリスはお構いなく答えようとする。 ちょ、本当に待ってよ!! しかし、俺の願いは叶わず、アリスはついに自分の考えを言ってしまった。 「あんた、いつも夜遅くまで勉強してるから朝弱いんでしょ!! 私には分かるんだからね!!」
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