師匠と可能性

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「ジャル先生すいません! ちょっと話いいですか?」 「んー??」 俺が話しかけると、ジャル先生はちょうど机にあったお菓子に手を伸ばしていた。 コーヒーとバームクーヘン。 美味いだろうな。 ってか、ジャル先生案外甘い物好き? バームクーヘンの他にも色々なお菓子あるけど。 「おお、バルローか。 話ってなんだ?」 「すいません。 ここではちょっと話しにくいことなんですが……」 そう言うと、ジャル先生の眉が少しだけ動いた。 そして、なにか考えているのか、顎に手を置いた状態で沈黙した。 もしかして、ヒマワリの件って気づいてる? 「おう。 分かった。 その話は長くなりそうか?」 「多分長くなると思います」 「ん、了解だ。 なら話しやすい場所に行こうか。 儂に幾つか心当たりがある」 そう言ってジャル先生は椅子から立ち上がる。 すいませんね、優雅なコーヒータイム(?)を邪魔しちゃって。 「お願いします」 「じゃあ、ちょっとだけ待ってくれ。 コーヒカップ洗ったり、校長に報告したいことがあるからな。 バルローはどこかで時間を潰してくれ」 「じゃあ、廊下で待ってます」 職員室で待っとくとか拷問に近い気がする。 「分かった。 五分ぐらいですぐ戻ってくるからちょっと待ってろ。 あ、バームクーヘンいるか?」 そう言ってジャル先生は俺に小さなバームクーヘンを5つ渡す。 待ってる間に食べちゃおう。 「失礼しました」 俺は職員室にいる人たちに挨拶をして、廊下に出た。 ふぅ……とりあえず第一関門突破……かな?
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