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なんとか無事に終わった制作会議。
部屋を出て行く皆と違い、会議室に残って宿題のキャラデザのラフがに目を通していた。服装や髪型、顔の特徴。
数パターンに描き分けられたイラストを見ながら、イメージに近い物を選んでいく。
選んだその中から、更にイラストをコピーして手直しや、追加のイメージを書き加えて行く。
思ったよりも多くの時間をかけてしまった。
私はそれをスキャナで取り込み、制作会議に出ていた人たちにメールで送った。
どこの会社にもありがちな会議室。
これが本当に現実なのかと今だに信じられない。
でも目の前には自分が書いた物語のキャラクター達。
四話までの脚本。
そして朝、ホテルから見た景色。
さっきまでの制作会議。
何もかもが私にこれが現実なんだと教えてくれるものばかりだった。
まるで自分自身が物語の主人公の様な、そんな夢の中にいる気分は消えなかった。
事実は小説よりも奇なり。
まさにその通りだなんて小さな笑いが込み上げた。
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