こいのぼり

13/22
前へ
/22ページ
次へ
「あれ?どこ行くの」 計画とは違う駅に着いてから、貴子が行くよりも先に切符売り場へ行った。 「こいのぼりのあるところだよ」 行き先はこいのぼりがあるところ。貴子の想像しているものと違うし、計画していたところとは全然違う場所。 切符を二人分買って、一枚は貴子へ渡す。 「え、この駅で合ってる?違うんじゃない?」 ずっとはてなマークを浮かべてる貴子。 「今日はさ、俺に着いてってよ。多少まともじゃない道も歩くけど、大丈夫だから」 「まともじゃない道?どうゆうこと!?」 少し声を荒げながらも何だかんだで着いてきてくれてる。 ローカル線。電車に乗るとほとんど人が乗っていない。 貴子が静かになった。期待とか不安とか、ごちゃごちゃになってんだろうな。でも、絶体に良いもの見せるから。 だんだんと電車は山の中へ進む。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加