こいのぼり

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「新!春!ハァっ…ハァ…おはよー。やっと追い付いた」 「おー、はよ。遅れてくるのかと思った」 息を切らして来たのは幼馴染みの萩原 貴子。物心ついた頃には一緒にいた。 「二度寝が失敗だった」 はあーーー。と、大きなため息をついては汗を拭う。 「あー、それはいかんやつやな。新も俺も常習犯だ」 「それでも遅れたことない二人には尊敬する。………あっ」 ははっと笑う俺ら。でも貴子の声にすぐその方へと目がいった。 「鯉のぼりだ」 自然と言葉が出た。小学生の頃はあちこちでよく見かけたけど、いつの間にか全く見なくなった。 鯉のぼりが珍しくて、三人で足を止めてそれを見上げた。
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