終章

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――… こ…こ、は…? うっすらと開かれた目に映るのは見慣れない天井と微かな酒の香り 自分は川に飛び込んだ筈―…  ズキッ 「っう…」 起き上がろうとして足の痛みに気付き、目をやれば綺麗に巻かれた包帯 それに着替えさせられたであろう着物、寝かされている布団… 一体誰が―… 考えていれば静かに開かれた障子から顔を出したのは小さな女の子 「あ…」 目が合い、此処が何処だか訪ねようとした瞬間 「あっ!!起きはった!! おかあはーん!!起きはりましたよー!!」 大声を張り上げて走り去っていった 次に聞こえたのは控え目ながらも誰かを叱る声 『――…あんたはいっつも言うてるやろ!?もっとおしとやかさを身に付けぇ、て……』 徐々に近付く声に此方へ来ていることが分かった 身を縮こませ小さくなる藍は障子をじっと見つめるしか出来ない
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