第1章 新撰組

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ため息をつきながら部屋に入れば 「巡察、ご苦労だったな。その顔…今日も変わりなしか」 「ああ、うん。ただいま、ハジメくん。代わりなしだけど、さっきそこで左之さんに絡まれちゃって…」 羽織を脱ぎながらははっ、と苦笑いする そんな平助の様子にハジメも「あぁ…」と納得だ 斉藤一------- 新撰組三番隊組長、撃剣師範。無外流、剣士としては珍しい左利き 19歳のとき、旗本と口論の末斬り殺してしまう。これによって『山口』から『斉藤』に改名 冷静沈着で物事を客観的に見ることができ、土方からの信頼も厚い 目つき鋭く、長身の為に近付きがたい雰囲気がある 「やはり倒幕派は姿を見せないか」 「そうだね…雑魚ばっかりだったよ」 「そうか…」 そう言うとハジメは再び持っていた書物に視線を落とした 平助は斉藤の性格を把握しているのか、その無愛想な態度を気にも留めない 着替えが終われば平助は再び先程の二人の下へ向かった------・・・ 「入るよ~・・・って。昼間っから何やってんだよ」 「お!来たな、平助。いいから見てみろよ~」 「こっち来いよ、すんげ~から」 ニヤニヤしながら左之と新八は手招きする そんな姿にため息がでた 「まったく・・・明るいうちから春画見てるのなんて二人ぐらいだよ」 やれやれ、と少し離れた場所に横になった
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