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シュッ―…
予想通り開かれたそこに居るのは、目を細めキツい眼差しを送る女と先程の少女
「目ぇ覚めたんやな?具合はどうや」
視線が交わりぶっきらぼうに聞いてきた様子に藍は瞬時に悟った
自分はこの女に助けられたのだと…
沸いてきた感情は感謝でも詫びる気持ちでもなく……怒り だった
「……な、んで…」
「は?」
「な、んで…うちを助けたん?
うちは…うちはあのまま死にたか 『パンッ』 ……っ!?」
最後まで言い切る前に遮られた言葉
何が起こったのか分からない
次第に痛み出すのは自身の左頬
「な……」
叩いたのは間違いなく今、目の前に居る女
頬を抑え、睨み付ければ続く言葉に驚愕する
「あんたに何があったんか知らん
そやけど、此処で命を軽んじる事は許さん
例えそれが見ず知らずのあんたでも、な」
吐き捨てるように言えば、側に居た少女に目配せし、早々に部屋を出ていった
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