第1章 新撰組

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文久4年、元冶元年(1864年) 京の町 この年の一年前、文久3年9月25日 会津藩預かりの『壬生浪士組』が隊名を『新撰組』へと改めた 新撰組の主な任務は不逞浪士や倒幕志士の捜索・捕縛、巡察・警備だった だが、この新撰組…京の町では嫌われていた 揃いのダンダラ模様の羽織、その浅葱色が見えると皆が声を潜め『壬生狼』や『人斬り集団』と蔑んだ ----------------・・・ 「イヤやわ。見てみ?また壬生狼がでっかい顔しておるわ」 「おーこわ。はよ帰ろ」 ザッザッと並んで歩く浅葱色の集団 名を『新撰組』といい、隊列を組んで京の町の治安を守っていた 「藤堂組長…今日も町の人の視線が痛いですねぇ」 ははっと苦笑いしながら言う平隊士に組長、と呼ばれた男が振り返る 「まぁね~、京の人は長州贔屓が多いからしょうがないよ。 でもそのうち僕等のやってることも理解される日が来るから、頑張ろ?」 ね?と首を傾げるその姿は可愛らしい だが、この藤堂という男…その容姿からは想像もつかない程の剣の使い手だ
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