第1章 新撰組

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藤堂平助------ 新撰組八番隊組長、北辰一刀流の使い手 戦闘の際には常に先陣を切ることから『魁先生』という異名をとった 見た目は小柄な美男子で剣を持たなければ温厚な性格である 「じゃぁ、お疲れ様。今日の巡察はお終い!」 屯所の門を潜り隊士を解散させ、副長室に向かう ふぅっ、と短いため息をつき声をかける 「副長、ただいま戻りました」 「入れ」 短い返事を待って部屋に入れば副長、と呼ばれた男が背を向け書類整理に追われていた 「報告しろ」 「はい。不逞浪士、倒幕志士共に遭遇せず。 ……食い逃げの男を一人捕まえ、役人に引き渡しました」 「………はぁ、食い逃げだけかよ。ご苦労さん」 くしゃっ、と自身の前髪をかき上げコチラに向き直る 「土方さ~ん、僕のせいじゃないんだからそんな睨まないでよ~」 報告を終えると、途端に砕けた喋りになった
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