終わり...

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毎日、夢を見る。 それは、誰にでもあるもので、ごく自然な現象。 その人の願望や理想が形となった、いわば“自分だけの世界”。 その世界だけは、人は無二の存在になれる。 他人の干渉がない世界。 でも、誰だって知ってる。 その世界は、ただの“幻想”なんだと―…… * 目を開く。 最初に見えるのは、いつも通りやっぱり空だった。一面目を奪われる青。俺の視界は、雲一つない青空で埋め尽くされていた。 俺はゆっくりとその場で立ち上がる。昨日と同じ場所に、俺は立っていた。 「……またか」 つい、本音が漏れる。それと同時に溜め息も出た。 そこは、丘だった。 町を一望できる丘。 小学校や、中学校の遠足でよく行った場所だ、と俺は記憶を回想する。 そう―…… 俺はこの場所を知っている。 なぜなら、それは紛れもない自分の住む町なのだから。 この町も、この丘も、この風景すべて。 .
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