恋の始まり

2/14
前へ
/74ページ
次へ
***** それは、夏の日のこと。 セミロングの栗色の髪が揺れる君に、一目惚れしました。 ***** 「憂(ゆう)、あの子の正体わかったぜ。」 裕人(ひろと)が、俺のところに駆け寄ってきて耳打ちした。 「おっ、まじ?ありがと。教えて。」 あの子とは、昨日会った栗色の髪の女の子。 制服は真面目な着こなしで、校則違反なのに髪の毛を染めていて、真っ白の透き通る様な肌をしたあの子。 初めて見たので名前もクラスもわからない。ただ制服でうちの高校としかわからなくて、憂は裕人に調べてもらうことにしたのだった。 「日方 舞(ひがた まい)。2年4組で、二学期からの転入生らしいぞ。いやー、可愛い」 「だめ、あの子は俺が彼女にするんだから」 「さすが、モテ男は自信満々ですな。」 憂は、自分がモテている自覚があった。 月に二、三回告白されるし、告白して断られたことはない。 顔もなかなかだし、ちょっとギターが弾けるし、寄ってくる女子なんて沢山居る。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加