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それは、夏の日のこと。
セミロングの栗色の髪が揺れる君に、一目惚れしました。
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「憂(ゆう)、あの子の正体わかったぜ。」
裕人(ひろと)が、俺のところに駆け寄ってきて耳打ちした。
「おっ、まじ?ありがと。教えて。」
あの子とは、昨日会った栗色の髪の女の子。
制服は真面目な着こなしで、校則違反なのに髪の毛を染めていて、真っ白の透き通る様な肌をしたあの子。
初めて見たので名前もクラスもわからない。ただ制服でうちの高校としかわからなくて、憂は裕人に調べてもらうことにしたのだった。
「日方 舞(ひがた まい)。2年4組で、二学期からの転入生らしいぞ。いやー、可愛い」
「だめ、あの子は俺が彼女にするんだから」
「さすが、モテ男は自信満々ですな。」
憂は、自分がモテている自覚があった。
月に二、三回告白されるし、告白して断られたことはない。
顔もなかなかだし、ちょっとギターが弾けるし、寄ってくる女子なんて沢山居る。
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