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風がふわっと窓から教室に入ってきた。
同時に、彼女の栗色の髪の毛が揺れる。
髪の毛の中からたまに、金色の何かが覗いた。
ピアス、かな?
それが妙に色気がある。
その姿があまりにも綺麗で、見とれてしまった。
「ううん、だめ。」
よく通る声で、ハッと気づいた。
「そ、そっか。
教えてもいいなって思ったら言ってね」
「思わないと思うけど、ね。」
教室を出る憂は普通を装うが、明らかに動揺している。
これまで、連絡先を教えてくれなかった子なんていないし、
それよりも彼女の綺麗さに見とれてしまった自分がいることに、驚いているのだ。
「ありえねぇ」
今まで、こんなことなかったのに。
「絶対、好きにさせる。」
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