恋の始まり

8/14
前へ
/74ページ
次へ
「じゃあ、放課後靴箱で待ってるね」 「ん、わかった。」 ひらひらと手を振りながら去っていく。 「お前はいいよな、里奈ちゃんと遊べて。」 裕人が急に呟くから驚いた。 「お前もよく一緒に遊ぶじゃん」 「ちげーよ、その後のことだよ」 ああ。その事。 「寝てんだろ?里奈ちゃんと」 「たまに、な。」 裕人が里奈に好意があるのは前から気づいていた。 本人は自分の気持ちに気づいてるかはわからないけど。 だから、ちょっと里奈と居ると罪悪感があるけれど、里奈はやめられない。 「俺もイケメンになりたい」 「お前もそこそこじゃん」 ふぅっと息を吐いた。 「そこそこ、なのはわかってる。」 でも…。と裕人は付け加えた。 「ふぅん。」 普段、バカみたいにはしゃぎまくってる癖に。 裕人はたまに、しゅんとする。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加