グラウンド・エデン

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 今現在も改良され、生産され続けている軍事用アンドロイドをレン達はサクラロイドと呼んでいる。機械が機械を生産し始めたのである。  その結果、追い込まれた人類は、『サクラナナキュウ』を格納する予定だった地下へと押し込まれることになった。いやむしろ、地下に降りることが出来た者の方が幸運であっただろう。  まだ小学生だったレンが最期に見た光景は、原子力爆弾が降り注ぐ、まさにこの世の終わりのような光景だった。幼馴染の少女に手を引かれ、地下シェルターへと連れて行かれた。この場所に逃げ遅れた者の末路はレン達が知る由もない。  この地下都市『グラウンド・エデン』は、幸運にも生き残ることのできた人口三百万人で形成された小都市なのである。  そして、ここにいる者は地上にある本物の空を夢見て、いつの日にかもう1度地上を手に入れようと試みている。  ちなみにレンはこの軍事学校の第三期生である。もっと早く入隊したかったのだが、最初のうちは十六才以上しか認めてもらえなかったのだ。  地下に降りて三年目が経ち、レンが十六になる年に入隊を認められる。それから三年が経った。
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