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納岳手高校、技術室。
すでにもう時刻は昼に近くなっている。
「とりあえずワイヤーを三分の一の長さにして。」
「あいよ。」
彼女が略奪したワイヤーの長さは明らかに百メートルを越えている。
俺はまだこのワイヤーを何に使うかも教えてもらっていない。
太いワイヤーに少し手こずったが、なんとか作業を完了した。
その後ワイヤーの両端を輪にして、留め具をつけている間、奥山がカバンの中身を全部外に出し、杭やヤスリを中に入れたり、鉄筋を束ねたりしていた。
準備が終わった時には正午を過ぎていた。
ワイヤーや杭、ヤスリ等は奥山のカバンに入れて学校に置いておき、パンの袋は奥山が持ってかえるらしい。
奥山はクリームパンを食べながらスマホを操作している。
いくつめなんだろうか。
「じゃあ私は家へ戻るわ。色々調達するものがあるし。」
「お気をつけて…」
「明日はミノタウロスを倒しに行くわ。舞崎君も明日8時にここに来て。」
「あいさー…」
多分俺は荷物もちだろうな。
この大荷物で、モンスターに初めて遭遇する…
悪夢でしかない。
「舞崎君、足震えてる。」
「いやこれは武者震いだよ!」
「そう…ならいいわ。」
本当はただ荷物の重さと、初めて会うモンスターが恐いだけですが。
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