1章

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俺は家から出てすぐに違和感を感じた。 車が一台も通っていない。 通りにも軒先にも人の姿はない。 何か胸騒ぎがしたが遅刻はしたくないので俺は自転車に乗り、ペダルを踏んだ。 苦無川町の端っこにある学校に着き、不安が現実味を帯び始めた。 普段は人が溢れかえっているはずの校門に、人けが無い。 教師の姿も、朝練の野球部の姿も無い。 何か良くないことが起きている。 そう確信しつつも、俺は自分の教室、2-Dに向かっていた。
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