1章

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2-Dの鍵はあいていた。 俺の通う納岳手高校は、その日一番最初に来た生徒が鍵を開けるのが暗黙の了解となっていた。 鍵が開いていたとなると、誰かがいたと言う事だろう。 そいつは多分教室に戻ってくるだろう。 とりあえず俺は教室で待つことにした。 暇をもて余した俺は、窓の外の景色を眺めていた。 ふと遠くのビルの頂上に巨大な赤い鳥がいるのが目に止まった。 しばらく見ていると鳥は蝙蝠のような羽を広げ咆哮した。 俺は気づいた。あそこにいるのは鳥ではない。 俺が幻覚を見ているのでないとすれば。 あそこにいるのは‐ ……たぶん、龍。つまりドラゴンだ。
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