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髪を整え、最後に真っ白な透かし衣で作られた長絹を羽織る。
持っている手鏡で乱れが無いかを確認すると、朔月は立ち上がり、宮殿へと続く小道に爪先を向けた。
宮殿への小道を進みながらふと考える。
あれは、いつの事だっただろうか。
初めてその人に会ったのは。
あの時は、まだ
その人もこの世界の住人で、自分は一貴族の妖の姫だった。
その人はもうそれすらも忘れてしまっている。
この世界の事は覚えてはいないのだろう。
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