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「若宮様は、昔の記憶はここでの記憶は忘れておいででございます。
姉姫様の方はどうかわかりませんが、接触はほかの妖達に任せて朔月は儀式を進めることだけをお考えください」
「――――いえ、宮様はわたくしがお招きいたそう。
儀式は問題なく進める」
あっという間に髪は結いあげられ
簪で止められる。
その間に朔月は自分の顔に粉と紅で化粧を施した。
「さぁ、参りましょう」
朔月は、前に回り込んだ男の手を取り立ち上がり、差し出された狐の面を両手で受け取る。
面の顔を一度撫でて、意を決して顔の半分が隠れる様に被った。
「狐の嫁入りを始めましょう」
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