第一夜

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  子供の頃は帰ることが無理だった場所だが、大人になった足では帰れなくもない場所だと言う。 「妹がいるの。 あの時に離れてしまったけれども…」 そう言う有明に『駄目だ』という理由も無く、 子供のころから自分達を知っている所で好奇の目に晒されてまで暮らしていくならと、二人育った村を出てここまでやってきた。 不思議な村だとは聞いてはいたが、本当に不思議な所だ。 何処か夢に見るあの世界と似ている気がした。
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