第三夜

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するとその尾と耳は最初からなかったかのように消え失せて、朔月のこめかみの側には人と変わらない耳が現れた。 それを確認した繊月も朔月がしたのと同じようにしっぽを振ると、耳と尾が消え、人間の耳が現れた。 ここは妖の世界。 そして朔月はその世界の主で、繊月は朔月の付き人。 まだそれを彼に知られるわけにはいかない。 有明の、ここに望月を連れてきた真意も、戻ってきた真意も掴目ない。 婚礼の儀二日目。 望月と有明の婚礼を完了させるまであと五日。
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