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するとその尾と耳は最初からなかったかのように消え失せて、朔月のこめかみの側には人と変わらない耳が現れた。
それを確認した繊月も朔月がしたのと同じようにしっぽを振ると、耳と尾が消え、人間の耳が現れた。
ここは妖の世界。
そして朔月はその世界の主で、繊月は朔月の付き人。
まだそれを彼に知られるわけにはいかない。
有明の、ここに望月を連れてきた真意も、戻ってきた真意も掴目ない。
婚礼の儀二日目。
望月と有明の婚礼を完了させるまであと五日。
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