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「――まだやってたか……」
部屋に入ると、さっきと変わらず姉は妹を襲っている……。
「真希、何時まで寝ぼけてんだ……おーきーろっ!」
机にあったノートを手にし、それを真希の頭目掛け軽めに一発降り下ろす。
すると、「うにゃっ!」と可愛らしい声を発して数秒ほど沈黙した後、辺りをキョロキョロして今の状況を認識する。 若干眠そうな顔をするものの、笑顔で俺を見た。
「冬君、おはよう」
「全く……。ほら、朝飯出来てるから早く来いよ」
そう言い残して立ち去ろうとしたその瞬間、裾をくいっと引かれた。
「……ん?」
振り返ると真希が「んっ」と甘えた声で両腕を広げている。
この様子は今まで付き合ってきた中で可愛くてドキドキする瞬間ベスト3に入るぐらいだ。
それほどに俺は真希にゾッコン……というより“のろけ”だな。
「有希ごめん、先に行っててもらっていいか?」
「うん……いいよ。全く、年がら年中ラブラブで羨ましいよ~」
少しだけ表情を曇らせ、有希は静かに部屋を出ていった。
「さて――困ったお姫様だな、全く……ほら、おいで」
優しく呼んで俺も両腕を広げる。
真希は「うんっ!」とまた甘えた声を発して俺を強く抱き締める。
「冬君?」
「何?」
「だあい好きっ!」
「俺も真希が大好き、愛してるよ」
「ふふ、ありがとう」
という“のろけ”な会話を繰り広げ、大体十分くらいはたった辺りで俺らは名残惜しさはあったものの有希を待たせてるということがある故、仕方無く部屋を出る。
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