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男の眼が妖しく光る。
男が耳もとで囁いた。
「『革命児』と『破壊者』を併せ持つ男……。まるで……貴女が心底惚れ込んでる……『あの男』のようだね」
そう言われた瞬間、マチルダは顔を上げ、言い返そうした時、男がマチルダを振り回すようにして踊り出した。
(……っ!!)
されるがままに、男についていくのが精一杯で、必死になってステップを踏む。
「へぇ……。なんだ、ちゃんと踊れるんじゃない」
男が嬉しそうに笑う。
「冗談!! ついていくのが精一杯なんだけど!?」
必死になって答えると、男が強い力でマチルダを引き寄せた。
「そう? 皆、貴女に注目してるけど?」
「え?」
男に言われて、マチルダは周りを見渡しギョッとなる。
いつの間にか、パーティー会場で踊っているのは二人だけで、皆、二人の躍りを見ている。
視界の端に光姫とぬこの二人が見えた。
無論、二人の激しい踊りを見ている。
(……っ!! 冗談じゃない!!)
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