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曲は終わりに向かい、男とマチルダは互いに微笑みながら、お辞儀をした。
二人の踊りを見ていたギャラリー達の拍手を背に、ゆっくりと光姫とぬこのいる方に歩いて行った。
「マッチー!! マッチーってダンスもできたんだね!!」
「凄く素敵だったわよ、マッチさん」
出迎える光姫夫妻にマチルダが苦笑する。
「いや、もう……なんちゅうか、疲れた。ものっそい疲れた」
ため息を吐くマチルダに、いつの間にか側に立っていた寒波が声をかけた。
「お疲れ様です。六代目」
「寒波さんこそ……事後処理ご苦労様。寒波さん、私らがナイフぶん投げてる間……他の客にわかんないように動いてたでしょ? 寒波さんの気配が動いてたからわかった。ホント、助かったっていうか……」
「まあ……予定調和でしたから、楽なモノです。貴女と“若”の仕事に比べれば……ね」
そう言われて、マチルダの動きがピタリと止まる。
予定調和? 若?
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