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「若、お疲れ様でした」
ゆっくりお辞儀をする寒波に男が苦笑した。
「いえ、貴方こそ。毎度の親父の無茶ぶり……大変でしょう?」
「仕事ですから」
微笑む寒波にうなずいた後、男は光姫の方に向き直る。
「お久しぶりです。光姫さん」
「うん、久しぶりだね。て言うか、相変わらず男前だね」
光姫があははと笑う。
「ところで……親父は?」
「大将? さっきまで一緒に居たんだけど……」
「ここにいるぞ」
光姫の言葉にあわせるように、男とマチルダの背後から現れた。
「親父!!」
「佐多んほいざー!!」
男とマチルダがほぼ同時に叫ぶ。
「お前らな……派手にやり過ぎなんだよ。目立ちすぎだ。寒波のやつ、大変だったんだぞ」
二人の叫びを無視して、佐多が言う。
「できるだけ派手にかませって言ったの親父だろ?」
「バカタレ、限度ってもんがあるんだよ」
「てかさ、上手いモン食わせてやるから遊びに来いって言われたから、ここに来たのに。俺、まだ、何にも口にしてないんだけど」
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