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ハァーと佐多がため息を吐く。
「簡単に言うとだな……このパーティーの主催者。こいつも俺と同じ禁書闇市の元締めやってんだけどな。治安部隊と結託して俺を嵌めようとしたんだよ。市場ルートを独占するために」
「で、僕が水面下で調査してたんですが……なかなかしたたかというか、決定的な証拠が掴めなくて……」
佐多の言葉を受けるようにして、寒波が説明する。
「そんで一計を案じた」
佐多が光姫の方に視線を移した。
「ノートリックスの総帥がお前さんとこの人脈と繋がりを持ちたがってる。一席設けてくれってな」
「……そしたら、ガッツリ食い付いて、このパーティーって訳ね?」
「御名答」
マチルダの答えに、佐多が満足そうに笑う。
「治安部隊を配置させて一網打尽にするつもりだったらしいが……まぁ、甘ぇわな」
「甘いですが……結果オーライですよ、キング。あの御仁……当分はおとなしくしてるでしょ。情報を聞き出す為に……僕、結構、キツく当たりましたし」
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