第1話

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差し出された手を掴み、立ち上がる。置いていた眼鏡を拾い顔にかけて、制服についたホコリを落としていると手首を掴まれた。 「ねぇ、一緒に食堂行こ?」 「いいですよ。」 断る理由もなく了承する。なぜか俺の手首を掴んだまま、先輩は歩き出した。俺は振りほどくこともせず、引っ張られるまま後をついて行く。 開いたままの食堂の中に入ると、つんざく悲鳴が食堂全体を覆った。 咄嗟に耳を塞ぐが、キーンと鳴っている。 「耳おかしくなる…。」 「俺は慣れたよ…。」 苦笑いを浮かべる先輩に何といえばいいのか分からず、ただ先輩の顔を見つめた。 「幸様だ!」 「今日はお一人なんですね。」 「隣にいるのは誰?」 「一年の特待生の子じゃない?」 こそこそと何か言うのが聞こえてくるが、罵声は聞こえてこない。何か言われると思っていたのに。 ※修正 主人公の眼鏡をかけている設定を忘れており、5ページを少し修正しました。屋上で昼寝をする際眼鏡を外した。という表現が入りました。メガネかけたままだと、キスしにくいのでね(笑) ご迷惑をおかけしました。 image=475533257.jpg
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