第1話

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うっと涙目になっているマリモに対して、後ろにいた早坂と都筑が俺を睨みつける。 「てめぇ…。」 都筑が俺に向かって一歩足を出した瞬間、今までで一番の大きな悲鳴や叫び声が湧き上がった。 即座に隣にいた先輩が俺の耳を塞いでくれ、耳が痛くなることはなかった。 「先輩ありがとうございます。」 「いいえー。」 悲鳴が収まり先輩に手を外してもらう。 「琉生!!」 誰かの名前を叫びながら誰かがこっちに向かって走ってくる。その人もやはり見覚えがあるような気がする。 「ねぇ先輩、あの人見たことがあるような気がするんですけど…。」 「生徒会副会長だよ。本当、俺たちの事知らないんだねぇ…。」 「…すみません。」 副会長は走った勢いのまま、マリモを抱きしめた。琉生ってマリモの事か。 「颯人!!」
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