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(どいつもこいつも…。)
さっきより視界がぼやけている。さっきの衝撃でどこかに眼鏡が飛んで行ったんだろう。
「おいなんか言えよ庶民。クッションになれて光栄です。ありがとうございます。とかよ?」
「恭介いいかげんに…。」
俺の元に駆け寄ってきた先輩が会長に向かって何かを言おうとしたがそれを遮るように、俺は近くに転がってあった椅子を力の限り蹴り上げた。
椅子は大きな物音をたてながら壁にぶつかる。その音に会長たちの笑い声が止んだ。
「…さっきから庶民庶民うるさいな。」
「なんか文句あるか?本当の事だろう。」
嘲笑う会長に憐みの目を向ける。
「あんた達はただ、親が、金持ちなだけで、自分で金を稼いだこともない、常識も知らない、そんなあんた達に庶民なんて言われる筋合いはない。」
「なっ…!?」
「会長…・あんた俺様俺様言ってるけど恥ずかしくない訳?ダサすぎ、聞いてるこっちが恥ずかしくて笑えてくるんだけど。」
「あなた、会長になんてことを…!」
「副会長さん。いつもの愛想笑いはどうしたんですか?」
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