第1話

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先輩の声が聞こえたのと同時に、腰を引き寄せられパンッと軽い音が聞こえた。 目を開くと会長の拳を先輩が掌で止めていた。 「幸、どういうことだ。」 「今回は恭介が悪い。でも、真人も言い過ぎかな。」 「…すみません。」 「ほら、みんな昼休み終わるよ?」 食堂の壁に掛けてあるある時計に目を向けると、あと10分で昼休みが終わる。 「真人行こう。」 「あ、はい。」 「まて幸!」 「後でね。」 残っていたサラダを口に入れ、トレーをカウンターに返す。先輩に手を引かれるまま食堂を後にした。 廊下を突き進み、誰もいない教室に連れ込まれる。 「大丈夫だった?怪我してない?」 「大丈夫ですよ。」 「あのバ会長っ、あんな事言われたら誰でもキレるっつーの!」 はぁ、とため息をついた後先輩は指で俺の頬を撫でた。
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