第1話

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1時限目はサボることにし、屋上を目指し階段を上り始めた。 ギィー…。と嫌な音をたてながら、屋上の扉が開いた。今日は天気がよく、日の光が降り注ぎポカポカと温かい。 「あったかい…。」 大きな欠伸を一つして、腕を枕に寝転び眼鏡を外して目を閉じる。コンクリートがひんやりと冷たく気持いい。風もそよそよと丁度いい。 寝るには最高の環境ですぐに、眠りに落ちた。 ギィーと音がしたよう気がする。屋上の扉が開いた音?少しだけ意識が覚醒するが、すぐにまた沈んでいく。 (眠い…。) その時フッと影が俺を覆った。太陽に日があたらず、ぽかぽかと温かった体が冷めていく。 「寒い…。」 膝を寄せようとした瞬間、上からしかも近くから声がした。 「こんな所で寝てると、…襲うよ?」 色気のある声で、耳元で静かに囁かれた。
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