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ママは着物姿で客を見送ると小次郎たちのところに来た。
「皆様豚の丸焼きはいかがでしたか。
内臓は全部抜き、肉と骨はそのままで口から尻に太い棒を突き刺し体全体にナマゴメを入れて火で焙った一品でございます。
勿論内臓は後程ホルモンなどに。
来月はしか肉のステーキをご用意します。」
「ねえママ、今晩ここにいる小次郎さん私の部屋に泊めていいかしら。
明日いやなことにキリ子が来るのよ。
私、会いたくない。」
「またお布施の催促かい、何のための寺の住職かわからない。
使い走りの娘など、どこかに連れてお行き。」
「だから、小次郎さんを。」
「俺、この近くですよ。
歩きで10分かからない。」
「なら明日ここに。」
「いいでしょう。」
「ほらナナ,小次郎さんがここに来てくれると言ってるでしょう。」
「ところでこの店の名前はなんでしたっけ。」
小次郎が言うと,みんなはずっこけた。
「この店の名前は下手物食いよ、それよりもあんたは熊の助のお見合いの結果知ってる。」
留吉が言った。ママもナナも大笑い。
「えーいつ見合いしたの。」
「俺知りません,ねえ先輩」
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