告発②

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党の親睦会もお開きの時刻となり エリカは父、洋一と共に大きな高級車に乗り込んだ。 運転しているのは気心の知れた三崎である。 「エリカ。今夜の会は退屈じゃなかったかい?」 隣に座る洋一が聞くと 『ううん。楽しかったわ』 エリカが洋一に顔を向け答えた。 「そうか」 『パパ、少し聞きたい事があるんだけど』 「なんだい?」 『中村さん、いるじゃない』 「ああ。今夜も来ていたね」 『パパも話したの?』 「挨拶しに来てくれたからね」 『珍しく奥さんの姿がなかったわ』 「そういえば、そうだね」 『いつも一緒にいるのに。どうしたのかしら?』 当たり障りのない話題を洋一にふった。
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