告発①

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「孫のエリカは母親の病気の事を知らないのよ…」 と。 詳しく聞くと一年間の予定で エリカは語学を学ぶ為に海外にある名高いスクールへ留学していた。 母親である百合子の強い意思で 日本を離れている愛娘のエリカには知らせないで欲しいと懇願された、と肩を落としながら百合子の母親は告げた。 百合子がまだ何とか話せた頃に 「あと少しで留学も無事に終わる。 今戻ってきたらこれまで頑張ったものがまたやり直しになるから」 最後の1ヶ月間で様々なテストを受け合格して帰国するのを目標にエリカは旅立っていったと言う。 「……そんな……」 早瀬は痩せ細った 百合子の寝顔を見つめながら それ以上言葉が続かなかった。
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