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一方で夫の洋一は当時やはり有力な政治家として飛び回っていた。
その為、付きっきりで愛する妻の看病も出来ない身だった。
百合子の母親と洋一の母親が代わる代わる病室にきていたのだ。
娘に加えて夫もなかなか見舞いに来れず
百合子は辛くないのか。
寂しくないのか…?
初めて早瀬の心に洋一に対する反発心が微かに芽生えた。
だが――――。
大事な仕事を休んで来るなと厳しく突き放していたのは百合子の方であったと
百合子の母親から早瀬は聞き驚いた。
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