告発①

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おそらく百合子は自分の命が残り少ないのも承知で周りの家族に、そう頼んだのだ。 自分が百合子から頼まれたら……… 洋一ほどの強靭さは持てないが やはり百合子自身の希望を叶えて必死になったと思う。 死にゆく患者と支える家族の気持ちは 違っても母親が悩みながらもエリカに連絡を取らずにいる患者本人である百合子自身の気持ちを最優先させるしかないのだろう。 エリカは……どう思うだろうか。 百合子や洋一の思いをまだ中学一年生の娘が果たして理解できるのか。 早瀬にはわからなかった。 「…………」 重苦しい沈黙が続いた。
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