国税庁査察捜査官《早乙女エリカ》

ｴﾋﾟﾛｰｸﾞ

次の日。

エリカたち査察官たちは
桜物産と桜社長と愛人関係にある小池美里の調査二日目を迎え朝９時から開始した。

美里が桜社長から預った金は
現金、預金合わせて２０億５８３７万円。

過去を遡るとまだまだ脱税額は増えてゆくだろう。

反対に桜社長の方には脱税した金はほとんど残されていなかった。

全てを愛人である美里に託したのだ。

美里がマルサに捕まったと聞いた時の桜社長の驚きは相当なもので茫然自失していたとエリカの元へチーム長の木田から連絡が入っていた。

そして部下の川上は今日１日、調査から外し妻の入院する病院へ向かわせたと明るい口調で木田が話していた。

『それは良かったですね』

エリカも嬉しそうに答えた。