エピローグ

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毎日さまざまな裁判が行われる裁判所は 人で溢れかえっているが 皆黙ったまま順番を待ちどこか日常とはかけ離れた独特の空気が流れている。 最後の手続きを終えたエリカと加瀬部長が 裁判所の出口に向かおうと歩いていると 反対側から中井裁判長が秘書と共にゆっくり歩いてきた。 「お疲れさん。テレビ観ました」 中井が片手をあげた。 『今回もお世話になります』 エリカと加瀬が頭を下げると 「明日は我が身。 誰しもポックリ死ねたらいいけれど そういう訳にもいかない。 わたしもなるべく家族に迷惑をかけずにいきたいが……難しい問題だね」 『はい』 「まあ今の内閣は良い。これからに期待しているよ。高齢化社会に一歩足を踏み入れている高齢者予備軍の一国民として」 そういうと中井は2人のもとを去っていった。
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