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01「赤い糸と誘拐事件」
アニーが八歳になった時。有名なナビィ(占い師)だった祖母は言った。
「アニーにはたくさんの赤い糸が見えるねぇ」
そこは、自宅のバルコニー。田舎を包む見事な星空の下。
祖母の優しい目線を追って、自身の手を見る。もちろんそれらしきものが結ばれているようには見えない。
「赤い糸って、一つじゃないの?」
「まさか。誰でも何本かは持っているものさ。でも、時間がたつうちに知らず知らずに自分でちょんぎってしまうんだね。だから一つしかないような気がしてしまうんだよ」
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