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魔法少年 ルナ・ライト
本日の天気は曇り。
下校途中。
何気なくいつもの通りから外れた道を歩いていた。
と言っても考え事しながら歩いていた結果なのだが。
そこに不思議な空間が広がっていた事も気付かずに歩き続ける。
「そこの少年」
不意に話し掛けられて初めて気付いた。辺りを見回しても人が一人も居ない。
流石にこれはおかしいと感じ、冷静に出口を探す。
探している最中に、美しい毛並みを持つ小さな狐に出会った。
その狐は浮いていたが、彼は無視した。
「そこの少年」
その狐が発言している事は気付いていた。
しかし無視した。
「…聞こえてるスト?」
更に無視して出口を探し、歩き続ける。そんな彼に狐は付いて回っている状態だ。
「ええい!聞こえてるだろ!」
彼の目の前に廻ると、物凄く不快な顔をしていた。
「…邪魔」
ベシッと狐を地面にたたき付ける。
堪忍袋の尾が切れた狐はもう一度彼の前に飛び出し指を突き付け話始めた。
自分が妖精である事、別世界から来た事、この世界に驚異が迫っている事。
彼に構うことなく話は進んだ。
そして最後に狐はこう言った。
「アンタは選ばれし者スト。戦う宿命スト」
彼は一拍置いて答えた。
「嫌だ」
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