魔法少年 ソーラー・ライト

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敵が去った後に起きたソーラーは自分の姿を見て微妙な顔をする。服を引っ張ってみて自分がその服を着ている事を確認する。 「夢じゃないし」 「ちょっと、しっかりするアン!」 カーネリアンは心配そうにソーラーの元へ行くが、ソーラーは額に手を当てて溜息を吐いた。 「変身ってさ、つかコレ変身だよね?もっとライト控え目に出来ないわけ~?」 「そんな機能はないアン」 「じゃ、変身する度にアレ?」 「当たり前アン」 「え~!何それマジ聞いてないんですけど~!!」 頭を抱えるソーラーとそれを疑問に思うカーネリアン。 「ちょ、マジありえねぇ!ヤバくね!?」 転がり回るソーラーに対しカーネリアンは何故そこまで拒絶するのかが分からなかった。とりあえずソーラーの転がりを止めようとするカーネリアン。 「な、何でそこまで落ち込むアン!?」 その言葉にようやく止まったソーラーの隣に、カーネリアンが座る。ソーラーはそんなカーネリアンと気まずそうに目を合わせた。 「だって~…落ちて来ないのは分かってるけど~、それでも怖い~みたいな~…」 そして目をそらし口を尖らせ拗ねる様に言った。子供っぽいことを言っているのはソーラー自身もわかっている。しかし怖いものは仕方ないのだ。 日光は極力目立つ事を避けていた。生徒会に誘われたが断り、委員長に推薦されたが断り、部長に任命されたが断った。 つれない、お前しか、薄情者等と言われても立ちたがらなかった。 「その代わり~、裏方で頑張るし~」 と、笑う日光。表には立たない縁の下の力持ちの日光は、それを誇らしく思っており、それで良いと思っていた。
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