ぷろろーぐ

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―猫は考えた。 こんな世界の何処がいいのかと。 汽車に乗るようにして煙突から命の火を燃やしながら 何もなくただただ流れていく日常を、 親に敷かれた人生のレールを、 淡々と進んでいく。 その道中にはきっと様々な困難があるだろう。 しかし、 人々が沢山の新しい物を欲している様で 結局有り触れた物しか手に入れようとしないのと同じ様に、 その困難も、有り触れた物でしかない。 そんなつまらない日常の中で、 猫は考えた。 こんな世界の何処がいいのかと。
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