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* 「水野さんっ。智宏の次、この本借りてもいい?」 五時間目が終わって、休み時間。 庄野さんが、真っ先に私たちの元へやってきた。 「うん、いいけど……」 森山くんに本を貸した時、庄野さんはあまり興味が無さそうだったから、意外に思う。 「はー? お前、本とか読まなくね?」 森山くんは、休み時間のたびに本を開いていて、もちろん今も。 「あんたに言われたくないし。智宏が読んでんの見たら、おもしろそーに見えてきたんだもん」 胸がチクッと痛む。 森山くんが、読んでたから……?
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