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「何でお前んち?」 「ゲーム貸せって言ったの、あんたじゃん。めんどくさいから取りに来なさい」 「やだよ。明日ガッコに持ってきてや」 「はー? 一生貸さないし」 「ケチ」 「あははっ、バーカ! じゃあねー。水野さんもバイバイねーっ」 ひとしきり会話をした後、庄野さんは手を振り、女子三人と教室を出ていった。 そして、森山くんはまた私を見て、首をかしげた。 「なに?」 「えっ……」 「俺に話し掛けなかった?」 「あ……、ううん」 「ふーん?」 私は嘘をつき、背中に生徒手帳を隠した。
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