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「森山くん、帰らないの?」 「和幸のこと、待ってるから」 「宮本くん? そうなんだ……」 帰ろうと、かばんを持つ。 席を立ち、一歩足を進めて、 「…………」 また戻って座りなおした。 「水野?」 「私も……、一緒に待っててもいい?」 多分、顔は真っ赤。 こんなこと言ったら、この気持ちがバレちゃうかな。 「あの……、ど、読書の邪魔しないから」 「いいよ、邪魔しても」 そして、森山くんは私の方に体を向けて、パタンと本を閉じた。 「水野なら、許す。いっぱい邪魔していいよ」
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