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「あ、あの……、本読んでていいよ?」 少し恥ずかしそうに笑った顔が可愛くて、焦る。 こんな表情を、私に向けてくれる日がくるなんて。 「なんで? 邪魔しに来たんだったら、何か話せば?」 「えぇっ?」 いえ、むしろ、邪魔はしないと宣言したばかりなのですが。 頬杖をついて、凝視されている。 困る……。 汗が止まらない……! 何かって、何? 何を話すべき? 元々、人見知りなところがあるから、そんなにポンポン話題なんて出てこない。 っていうか、その顔はやめてください。 じーっと見つめるのはやめてください。 私だけを見ていることが凄く嬉しいけど、顔が火照って仕方ない。
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